全体を通じての公演は3年ぶり、料亭と芸者集による江戸の粋、日本の綺麗を堪能できます。
令和4年5月21日(土)・22日(日)
普段は一見お断りで閉ざされた花柳界の扉、年に一度の東をどりがその扉を開きます。舞台には芸者衆の踊り、幕間は料亭が美食と旨酒をご用意。日本を遊ぶ、東をどりは大正十四年から今年で97回目を数えます。
東をどりについて
幕末に興り、近代化の明治に発展した新橋花柳界。芸の一流を目指し、新橋芸者の晴れ舞台「東をどり」の場として、大正14年に造られたのが新橋演舞場。その開場記念、こけら落とし公演が東をどりの始まりでした。
普段は一見お断りの花柳界ですが、近年は1年に1度、毎年5月に開催、演舞場を大料亭に見立て、踊りに料亭の食はじめ、様々に伝わる文化を遊ぶ場として人気を博してきました。
料亭でしか見ることのできない芸者衆の、粋で艶やかな踊りや芸を見ることができる、1年に1度の貴重な機会。常日頃ご指導いただく花柳、西川、尾上の三流派から、今回は、西川流鯉風派家元西川左近が総合構成演出を務めます。約半世紀、新橋花柳界の舞踊を牽引してきた左近ならではの、復活の思いを込めた華やかな芸者衆の舞台です。
東をどり(あずま-)は、東京新橋組合(料亭と芸者の組合)が芸者衆の踊りを中心に開催する公演である。新橋演舞場(東京都中央区銀座六丁目)が会場となり五月に開かれることから歳時記で晩春の季語とされています。
今回、97回目の東をどりは復活の催し
一昨年に始まるコロナ禍により中止となった東をどりは昨秋に「映像の東をどり」と銘打って、前段は大スクリーンを舞台に設えて芸者衆の踊りを映像美として、後段に芸者衆が登場して実際に踊ると云う新しい形に挑みました。それはコロナ禍を受けて感染対策に知恵を寄せた形でした。
そこから約半年となる今回は舞台を通常の形に戻して「新橋 花の賑わい」と題する踊りを準備しています。今回の賑わいの中にはお祭りがあります。身近な神事の本旨は神に降りて来て頂くものです。新橋一同はそこに疫病退散の願掛けて、楽しき祭りをつくります。それは目新しいものではありません。我々の日々の生業、芸者衆の唄と踊りが演舞場の舞台に在って、幕間に料理と旨酒を用意する。そんな当り前こそが幸いと思い至ります。今までにしてきたことを復活して、願い新たなお祭りを見て頂きたくお知らせする次第です。
このリリースを書きながらコロナ禍の終息を見ない今、随分な大風呂敷と笑われるかもしれません。唯、数年の間に不測には慣れてしまったようです。我々が商うものとは遊び、それは時を経て洗練されると文化と呼ばれます。素敵な日本を遊ぶ、それが東をどりならば、暗い顔で後ろ向きではいけません。ここで日本を遊ぶ場の復活を宣言しまして、不測にも対応できるよう準備にあたります。詳細はこの後に記しますがコロナ禍を通じて、復活を期すもの、出来ぬもの、新しきもの、と計画はいくつかに分かれます。どうぞ、ご留意頂いてお目通しの程をお願い申し上げます。
東京新橋組合 頭取 岡副 真吾
第九十七回 東をどり 概要
今年の舞台
新橋芸者衆は踊りを西川、花柳、尾上、三流の家元の直弟子となり指導を頂きます。東をどりでは年ごと三流派に順繰りで構成と総合演出を委ねます。今年は西川流の左近先生の担当。東をどりの復活と云う街の想いが籠っています。
幕間の楽しみ
復活の東をどりは日本を遊ぶお祭り、幕間には三日限りの大料亭となる演舞場をお楽しみ頂きます。料理、旨酒に酒肴、土産探し、東をどりの演舞場に新橋一同は心込めて皆さま方をお迎えします。
料亭の食
演舞場レストラン「東」でのご提供となります。
【味を競う陶箱 松花堂弁当】6,000円 / 東京𠮷兆・新喜楽・金田中・松山・米村
古の茶人 松花堂昭乗がつくった四つ割りの煙草盆、吉兆の創業者、湯木貞一翁は、そこに向、口取り、煮物、飯を盛り、松花堂弁当と名付けました。ここでは四つ重ねた陶箱を松花堂に見立てます。献立は孫にあたる東京吉兆の湯木義夫、五料亭はそれぞれの持ち味を競い合い陶箱弁当の競宴となりまし。
【酒肴詰合せ 酒肴の折】3,000円 / 東京𠮷兆・新喜楽・金田中・松山・米村・わのふ
松葉串の口取り、笹巻鮨、玉子焼など、酒肴となる料理を折詰めにしました。特設カウンターで受け取って、酒処やレストラン「東」に向かうもお土産にするも自在にお使い頂けます。
まねき札
今回の東をどりでは広く皆さまからの後援をHP上で募っています。銀座百点に右之吉文字がたりを連載中の橘右之吉さんがご後援のた方々の名前を招木札に書いてくれる事になりました。寄席文字の札が紐飾りの大鼓と共に東をど りのロビーを盛り上げます。公演終了時に札は御礼の品になります。
江戸の昔、茶屋、旅籠などに、お馴染みのご贔屓が、団体名や個人名を記した木札を贈りました。不案内な土地で見知った名前があるのは心強く「同じ使うなら、見知った名のあるこの店で世話になって、土産話にしよう」と、お馴染みに加えて新規のお客様を招き寄せるところ から、「招喜」の文字が当てられ、景気を付ける招福の縁起物として、店頭に飾られました。文化文政の頃には千客万来を祈念する玄関飾りとなり、凝った招木看板も次々と作られ、江戸の香りを今も残しています。
並べて飾る形から聯(れん)とも呼ばれ、古くは中国由来です。柱や壁の左右に、相対して掛けて飾りとする、細長い書画の板・軸を言います。江戸の昔、祭礼時の飾りとして、各々の町が競い合い、粋と趣向を凝らし、連なり並べ飾ったところから「聯」の名が当てられたといいます。後の祭礼神酒所の寄付連名の原形です。
大皮 / 大鼓(おおかわ)
おおかわは邦楽に欠かせない大事な打楽器です。舞台で囃子方が左の膝の上に横たえて右手で打つ楽器のことを言います。楽器としての役目を終えた大鼓は、目出度く「上がり」と呼ばれ、飾り紐 を着けて招福の飾りとなり珍重されています。
江戸、幕末に興り、薩長の志士を迎え入れたことから、明治に大きな発展を遂げた新橋花柳界。芸の一流を街の目標に研鑽を積み、やがて芸の新橋と呼ばれるようになります。発表の場として1925年(大正14年)に新橋演舞場を建設、その柿落し公演が初回の東をどりである(4月1日[1])。演舞場が東京大空襲で焼失後、1948年(昭和23年)に再建され、第15回公演として東をどりも復活しました。川端康成や谷崎潤一郎、吉川英治など文豪の脚本による舞踊劇が話題を呼んだ。男姿の美しい芸者、まり千代の人気により主婦や女学生など幅広いファンを獲得、意欲的な舞台づくりは高い評価を受けた。1982年から毎年5月に4日間で開催されています。
普段は一見さまお断りが花柳界の決まりだが、東をどりでは扉を開き、誰でも気軽に踊りや料理、花柳界を楽しむ催しとなっています。「日本を遊ぶ」を相言葉に幕間には芸者衆の点茶、食は新喜楽、金田中、東京吉兆など新橋料亭の松花堂弁当や酒肴、特別な酒が楽しめます。
新ばし芸者
芸者と云う仕事
新橋芸者はそれぞれ置屋に属します。料亭から声が掛かり宴席に赴きます。芸事を身につけているから芸者。大きくは「立方(たちかた)-踊りをする人」、「地方(じかた)-演奏をする人」に分かれます。芸を大切にする新橋ではひとつの芸事を専門とした上で、狂言、小唄、茶道、日本画、俳句など、さまざまなお稽古ができます。お座敷で披露する芸は余興と呼ばれます。目の肥えた客前の真剣な取り組み、海外から来た方へご披露するときは日本をお伝えする役目を感じることもございます。宴席のおもてなしは、お酌と共に世間話や趣味のこと、お客様の会話がスムースになるよう努めます。空気をつくり座を進行させるには普段の勉強も大切なこと、けれどそれはひっそりと……
開催場所 | 新橋演舞場 |
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最寄駅 | 築地市場駅 / 東銀座駅 |
所在地 | 〒104-0061 東京都中央区 銀座6-18-2 |
開催期間 | 2022/05/21(土) ~ 2022/05/23(月) |
時間 | 壱の回 : 開演 11:00 ~ 終演 12:30 弐の回 : 開演 13:40 ~ 終演 15:10 参の回 : 開演 16:20 ~ 終演 17:50※各日3回、 全9回公演 |
料金・費用 | 花桟敷席10,000円・雪席(1階、2階前方)8,000円・月席(2階後方)5,000円・花席(2階左、3階)2,000円 ※学生当日半額チケット:年齢を問わず、日本文化に親しんで頂くよう学生証を提示頂くと当日券は各席とも半額。学生割引は観劇当日、 新橋演舞場切符売場でのみ販売いたします。 ※就学前のお子様の同伴、入場はご遠慮ください。 ◎詳細は公式サイトをご確認ください。■前売り開始日 : 2022年4月10日(日) |
問い合わせ | 東京新橋組合 03-3571-0812 備考:(平日:10:00~17:00) |
公式サイト | 東をどり公式 東京新橋組合公式ホームページ |
注意事項 | ※本公演は政府及び東京都のイベント開催制限と、関係諸機関により策定された感染症対策ガイドラインに従い、感染拡大防止対策を講じて開催いたします。具体的な予防対策と販売座席について、 ケットご購入前、ご来場前に必ず東をどり公式ホームページ、松竹ホームページにてご確認ください。体調のすぐれないお客様、感染症対策にご協力いただけないお客様には、ご入場をお断りする場合がございます。 |